あるブライダル施設の“非婚礼日活用”ケースに学ぶ、新収益モデルの設計方法

平日・閑散期の稼働率低下という課題に対し、「新規事業開発アシスタント」で収益化の道筋を描くプロセスをご紹介します。

あるブライダル施設の“非婚礼日活用”ケースに学ぶ、新収益モデルの設計方法
Photo by Nathan Dumlao / Unsplash

使用するツール

  • 新規事業開発アシスタント

「結婚式がない日」も収益を生み出すために

少子化や結婚式スタイルの多様化により、多くのブライダル施設では平日や冬季の稼働率の低さが経営課題となっています。週末には一定の婚礼需要があるものの、平日や閑散期は施設や人材が稼働しないまま遊休化しているケースも少なくありません。

そうした背景を踏まえ、本記事では架空のブライダル施設を舞台に、「新規事業開発アシスタント」を活用して非婚礼日にも収益を生み出す新規事業を設計する方法をご紹介します。

具体的な手順

  1. 施設の素材を整理する

まずは、自社施設の「空いている時間帯」「使われていないスペース」「活用できる設備・備品」を洗い出します。

💭
空いている時間帯(例):
・平日の午後(挙式・披露宴の予定が入らない時間帯)
・冬の閑散期(12月〜2月など来館数が少ない時期)

使われていないスペース(例):
・控室や更衣室
・屋外ガーデンスペース
・チャペルや神前式の儀式殿

設備・備品(例):
・大型スクリーンや音響設備
・テーブル装飾や椅子などの備品
・大きな造花装飾やアーチ

  1. 「新規事業開発アシスタント」に情報を入力してアイデアを出力

次に、ツールの各入力項目に、施設の特性・使用可能な素材・目標売上などを入力し、自動生成されるアイデアを確認します。

この時点で決めていない「ペルソナ&ペイン」は「未定」とします。

項目名

入力内容例

コーポレートプロフィール

緑に囲まれた独立型チャペルと邸宅風の会場を持つ郊外型ブライダル施設。週末婚礼が中心のため、平日・非婚礼日の施設活用と売上補完が課題。

既存事業の主要KPI

月間婚礼実施組数:平均12組、平均成約単価:270万円、成約率:約30%、Googleレビュー評価:★4.5

目標売上 & 期日

初年度の非婚礼収益1,200万円、2026年3月末までに年間稼働率を15%向上

供給側外部要因

ウェディング市場の縮小傾向、週末集中稼働による人材の平日稼働余剰、地元業者との連携強化ニーズ

ペルソナ & ペイン

未定

事業開始日(任意)

2025年11月1日

規制・法的制約(任意)

特になし

  1. 出力されたアイデアを現場目線でブラッシュアップする

初期出力では、「フォトスタジオの期間限定ポップアップ」「終活ポートレート」「ファミリーフォト撮影プラン」などの案が提示されました。

これらの案について、現場の状況に応じたカスタマイズを行うため、以下のような形でAIに対話的に情報を与えます。

💡
「平日午後に使っていないチャペルと控室があります。音響設備や大型スクリーン、造花装飾なども使えます。この空き時間と設備を活かして、平日の新収益プランを考えたいのですが、どんな使い方が考えられますか?」

  1. 「フォトスタジオ・期間限定ポップアップ」プランを具体化して実行へ

複数提案の中から、「フォトスタジオ・期間限定ポップアップ」の案は、施設が保有するチャペルや造花装飾、大型スクリーンといったブライダル用の演出設備を流用しやすく、かつ平日利用にも適したプランです。

このプランをより詳細に作成します。

💡
例:5.フォトスタジオ・期間限定ポップアップ について、詳細なプランを作成してください。

この後も、現場での運用条件を伝えながら、AIに具体的な仕様を提案してもらうことで、実行可能かつ魅力的な事業プランに仕上げていきます。

💡
「背景セットの変更は3か月に1回まで。シーズンごとのテーマを設けた企画にしてください。」

「チャペルを写真撮影の主スペースとし、控室は着替え・待機エリアとして活用。音響演出や造花アーチを使用して“特別感”を演出したい。」

「平日の午後だけで回せるよう、最小限のスタッフ体制でも対応できる運営フローを想定してください。」

活用によって得られる成果目標(参考例)

「フォトスタジオ・期間限定ポップアップ」を、七五三・卒業・入園・終活写真など季節ごとのニーズに対応した撮影サービスとして運用を開始。地域住民を中心に認知を広げ、非婚礼日の新たな収益源として定着させる。
地域ニーズに応じて再設計することで、平日・閑散期にも収益を生み出すモデルを確立する。

取り組みから6ヶ月間の目標数値

KGI:
非婚礼日の新規売上:月平均 100万円

KPI:
・非婚礼日利用の問い合わせ件数:月間30件
・非婚礼日利用の契約件数:月間 10件(平均単価:1件あたり10万円)
・ネット広告のリーチ数:月間 500,000リーチ